第2回 重力 

ブルーバックス p21~33

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  第2回の課題「重力」。難しいですか。がんばってください。いちばんすごいと思うのは,振り子の周期を測ると, 地球の質量が分かる。というところです。ニュートンってほんとに偉大ですね。? だだし,よく考えると重力加速度から質量が求 まるのは,G(万有引力定数)が分かっているからです。このGの値は,その後,キャベンディッシュの精密なねじれ秤の実験によって 求められました。このあとも出てくると思いますが,6.67×10-11(N・m2/kg2) という数字。ダンベルを2コを10cmの間隔に置いたとしても,マイナス11乗ですから,どうという力にもなりません。めちゃ めちゃ弱い。しかし月とか太陽とかになると,影響しあい宇宙の秩序を保っているというか,地球の質量が6×1024kgな ので,はたらくというか。さらにアインシュタインになると加速運動によって重力が消せるとか,空間が曲がっているとかブラ ックホールとか重力波とか。この話はきりがないので,ここで打ち切ります。
 さて,今回は重力から,最後は地球の内部にある物質を推定せよ,というやや無茶振りな(毎年質問が多い)課題まであ ります。関係ありませんが,3月に全国一斉休校になったとき,空いていた映画館で「パラサイト半地下の家族」を見てきまし た。数年前の日本の是枝監督の「万引き家族」と貧困というシチュエーションはよく似ているのですが,半地下の家でWiFi環境がなくスマホの電波が弱かったり はじめは笑っていられるのが次第にハラハラどきどきが続き,衝撃的なラストへとストーリーに奥深さがあって,さすがにアカデミー賞をとるだけの映画だと思い ました・・。何が言いたいのかというと,地下というのは「恐怖」でありませんか(ネタバレになるのですが, 「半地下の家族」では,別のさらに深い地下室での物語が出てくるのです)。スティーブンキングの「IT」も,下水や地下が恐怖を 象徴していると思います。アリストテレスは,物が下に落ちるのは,努力をしないとみな地獄に落ちる性質があるからと, 言っていませんでしたっけ。まるで成績みたいに(ハハハ)。
  もちろん地学では怖いなどと言っていられません,地球の地下は,どうなっているのでしょう。どうやって分かるのでしょう。 しばらくこれがテーマになります。地下に何があるか密度で考えよ,というのが慶応地学科なのです。ようやっと地学らしく 岩石の話になっていきます。ぜひ覚えてほしいのですが,地表付近を構成している岩石の密度はおよそ3g/cm3です(実際にはいろいろありますが)。 これに対して,地球の平均密度が[ A ]g/cm3と出たわけです(kg/m3→単位の変換に注意)。さて,平均が3で はないとすれば,中に何があるのでしょうか。少し前に,太陽系外の惑星(系外惑星という)に,内部がダイヤモンドで できていると推定される惑星の存在が話題になりました(写真)。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/6893/

これって受けますよね。ダイヤモンドなら内部には炭素?。あるいは,地球の内部は純金で できているとか。たしかオーシャンズ11というブラッドピットの映画だった(定かではない)と思いますが,金塊を盗ん で,ビィトンのバッグで運ぼうとしたらバッグの底が破けてしまって,「誰だ!こんなニセのビィトンを持ってきた奴は」と怒るシ ーンがあるのですが,金の密度はなんと19.3g/cm3ですから,金はないでしょう。平均なので,すごくおおざっぱに, (3+X)/2=AになるとしてXを推定してみてください。それで正解にたどり着きます!。
  ところで,そんなに地下が知りたいなら,穴を掘れば良い,と考えた人もいるでしょう。どれくらい深く掘れるのでしょう。 最近は町おこしなどで温泉をあちこち掘っていますが,それはせいぜい1000m程度(よくある地震の震源の深さは40km=4万m), 世界でもっとも深く掘った記録は,ロシアのコラ半島での掘削調査で,それでも12kmなのです。水平に12kmといったら, 日吉から渋谷くらい。なので,地球の奥深くがどうなっているか,調べる方法とともに次回から見ていきましょう。 今回のおしまいの動画は,そのコラ半島の穴の底の方で聞こえた音が〇〇だった というもの。ほら,やっぱり地下はホラーなのです。

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